Tuesday, October 04, 2005

無知な一般人だから味わえる幸せなひととき。




無知な一般人だから味わえる幸せなひととき。
『A fetish for beauty Blumenfeld』ー Willan A.Ewing

あまり好みではないカバーデザインを横目にしながらずいぶん長い間、放置していた。
ある日、他の本屋がこの本を激安セールして山積みされているのを見つけて初めて手に取った。

面食い(ジャケ買い)が後悔する一例を私はこの本で体験する。
当然ながら、一番良いコンディションのものを購入して(二冊買おうかともためらったが、いらぬ欲は捨てた。)まっすぐに家に帰ってから丁寧にページをめくった。もうマン・レイあり、コクトーありの魅力的なファッション・フォトを堪能する事ができた。
これはファッション・フォトグラファー、エディターとして活躍したアーウィン・ブルーメンフェルドの作品集である。

この作品集からはパクリだらけのしたたかながらも(大胆なオリジナティーの希薄さは認めざるを得ない)彼が、それらをファッションというベールで包む事によってコピー(パクリ)行為が新しいモードを与えたという事実は評価すべき事だと思う(よくある事だが:まだ日本のポップ・ミュージックが歌謡曲と呼ばれていた頃の作曲者のパクリぶりを思い出してほしい(それが悪いという意味ではなく、結果的に良い事もあったという事が言いたいだけ。))。そして彼の作品の良い所は単純で良質のパクリであり、今見ても驚きや感動を御託なしに与えてくれる所にある。また同じインダストリーに属する人々に対しても、どん欲に情報を吸収するしたたかさを映し鏡的に感じると同時に初心に帰る謙虚さも教えてくれるものである。

*これはAmazonに2005年9月19日に掲載されたレビューを元に改訂しています。

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